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NFTの新規格ERC-4907とは?|NFTリースが重要な理由

こんにちは。0xMach(@0xMach)です。今回は次のNFT市場においてCC0と共に注目している、イーサリアムトークン規格ERC-4907について解説します。(参考記事:こちら)

NFTの新規格ERC-4907とは?

NFTレンタルマーケットプレイス「Double Protocol」は、レンタル可能なNFT規格「EIP-4907」を提出したことが評価され、6月28日にイーサリアム開発チームによる最終審査を通過し、30番目のERC規格となりました。

ERC-4907はNFT標準に新しい役割を追加し、誰がNFTのオーナーで誰がユーザーかを分けることで、「貸し借り」を可能にするものです。借り手は貸出期間が終了するまでNFTを使用することができ、自動的にNFTは所有者に返送されます。

ERC-4907以前は、NFTを譲渡するたびに所有権を失っていましたが、所有権と使用権を分けることで、NFTにリースの機能が追加された点が画期的です。

従来のNFTのレンタルシステム

NFTのレンタルで思い浮かぶのはGameFiの分野だと思います。Axieのスカラーシップ制度なんかは代表例ですね。NFTのゲーム資産は、ゲーム内のキャラクター、武器、アイテムから、The SandboxやDecentralandのようなゲームの土地まで、さまざまな形態で存在します。

問題点としてはプレイヤーは1つ以上のNFTを所有する必要があり、多くの場合これは高額な投資であるため、新規参入者がゲームを試すのに高い参入障壁となります。この問題を解決するため、プレイヤー同士がNFTを貸し借りできる奨学金制度を設け、誰でも初期投資をせずにゲームを楽しめるよう設計するのが一般的になっています。

また、GameFiの分野だけでなくNFTのレンタルサービスを提供するプロジェクトもあります。

従来のNFTのレンタルシステムの問題点

現在、NFTをレンタルする方法には、担保付きレンタルと無担保レンタルの2つがあります。いずれの方法も、所有者が何らかの担保や条件を付けてNFTの所有権を利用者に譲渡し、レンタル期間終了後に利用者が所有権を返還することを保証するものです。NFTが貸し出されると、元の所有者はNFTを管理できなくなるため、多くの潜在的なリスクが生じます。さらに、レンタル期間が終了すると、所有者は手動で資産を取り戻さなければならず、特に複数の資産を同時にリースする場合は、複雑なプロセスが必要となります。

従来のNFTのレンタルシステムの問題点

  • 貸し手がNFTを管理できなくなる
  • レンタル期間が終了すると、元の所有者は手動で資産を取り戻さなければならない

ERC-4907は何を解決するのか?

ERC-4907の特徴

  • 明確な権利の割り当て
  • シンプルなオンチェーン時間管理
  • 下位互換性
  • サードパーティとの統合が容易
  • NFTをより身近なものに
  • 市場流動性の向上

明確な権利の割り当て

「オーナー」と「ユーザー」という2つの役割をコード化することで、貸し手と借り手の権利を分離し、それぞれがNFTでできることをコントロールすることが非常に容易になります。

シンプルなオンチェーン時間管理

レンタル期間が終了すると、ユーザーロールがリセットされ、レンタル者はNFTのアクセス権と使用権を失います。従来は、これを2回目のオンチェーン取引で実行していましたが、この方法はガス効率が悪く、不正確であるため、複雑化する可能性があります。ERC-4907では、「ユーザー」ロールが所定の有効期限後に自動的に失効するため、この余分なトランザクションは必要ありません。

下位互換性

ERC-4907規格は、拡張機能セットを追加することにより、ERC-721規格と完全な互換性を持つことができます。また、本標準で導入される新機能は、ERC-721の既存機能と多くの共通点があります。このため、開発者は迅速かつ容易に新規格を採用することができます。ERC-721で作成したNFTをERC-4907にアップグレードしたり、ERC-4907と互換性を持つようにラッピングすることも可能です。

サードパーティとの統合が容易

ERC-4907は、ゲーム、メタバース、会員カードなどにおけるユーティリティNFTリースのスムーズな統合と開発コストの削減を可能にし、この規格を採用するすべてのパートナー間の相互作用を強化します。

NFTをより身近なものに

従来のNFTレンタルシステムでは、借り手はまず担保を提供する必要があり、通常はステーブルコインやETHで提供されます。過剰担保が要求されることも多く、借り手は借りているNFTの価値以上の資金を拘束されることになります。このため、特に高価なNFTの場合、多額の資金を前もって必要とするため、NFTをレンタルできる人は限られています。ERC-4907 NFTのレンタルには、担保が一切必要ありません。このため、NFTをレンタルして利用する機会が増えます。

市場流動性の向上

ERC-4907は、NFTのレンタルの発展を大きく広げ、それを軸としたデリバティブを生み出すと思います。この種の規格は、ゲーム、アート、PFP、音楽、会員制NFTなど、さまざまなユースケースに適用できます。メタバースとWeb3が拡大し続ける中、ゲーム内資産やLANDを買う余裕がない人、買いたくない人を含め、NFTのレンタルという選択をする人が増えるはずです。これによって、NFT市場の流動性は長期的に大きく向上すると思います。

まとめ

レンタル可能なNFTはブロックチェーンゲーム、メタバースと相性が良く、普及が進めばWeb3 の全体像に大きな影響を与える可能性があると思っています。特にメタバースの土地や不動産はERC-4907の登場により、一層重要になるのでは?と思いました。

NFTの欠点である流動性の向上という点でも今後注目していきたいと思います。

【免責事項】

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