こんにちは、@0xMachです。今回はプライバシー特化のL2プロジェクト、Aztec(Aztec Network)を紹介します。
目次
Aztec(Aztec Network)とは?
Aztec Network(以下Aztecという)は、ファイナンシャル・プライバシー問題を解決するために作られました。パブリックチェーンの世界では、オープンで透明性が高いため、プライバシーの問題が時々取り上げられます。Aztecはこのプライバシー問題を解決するため、プライベートな送金やDeFiアプリケーションにプライベートでアクセスできるようにしています。
Aztecの特徴
(1)プライバシー保護
Aztecは、プライバシーファーストのアーキテクチャで構築された唯一の zk-rollupであり、ユーザーはLayer1上の特定のアプリケーションに完全にプライベートでアクセスすることができます。
(2)コスト面
Ethereum上のゼロ知識証明によりAztec取引の有効性を証明することで、取引コストを最大100倍削減することができます。
(3)コンプライアンス
Aztecのプログラマブルプライベートシステムは、機密性を完全に維持しながら、opt-in auditabilityとコンプライアンスをサポートします。
※opt-in auditability:監査する際、ユーザーに事前に許可を求めること。
Aztec History
Aztec History
2017年:元々はブロックチェーン上の機関投資家向け金融のプラットフォーム「Creditmint」として設立
2019年:Zac WilliamsonとAriel GabizonがPlonKの代表的な論文であるユニバーサルzk-SNARKを発表
2021年:内部送金機能を持つマルチアセットプライベートペイメントプラットフォーム「zk.money」をローンチ
2022年:プライバシーとスケーラビリティをあらゆるプロトコルに簡単に統合できるツール群(Connect)により、柔軟なプライバシーが初めてイーサリアムに導入される
Future:Noir(ゼロナレッジの世界共通言語)を使うことで開発者は使い慣れたRustベースの構文で開発することができ、証明可能な安全性を持つ暗号化アプリケーションの構築をより簡単に行えるようになる予定
資金調達
Aztecは過去に大型の資金調達を実施しています。それぞれ見ていきましょう。
シリーズA
2021年12月16日、Paradigm主導によりシリーズAで$17Mの資金調達を実施。そのほか、a_capital、Ethereal Ventures、Variant Fund、Nascent、IMToken、Scalar Capital、Defi Allianceなどが参加しています。
"Paradigmのリサーチパートナー兼最高技術責任者であるGeorgios Konstantopoulosは、「プライバシー は基本的な権利です。Aztecのロールアップは、彼らの先駆的な学術研究であるPlonkを搭載し、イーサリアムのDeFiへのアクセスも可能にしながら、高いプライバシーを解決しているのです。我々は彼らと提携し、この仕事を進める手助けができることを非常に嬉しく思っています。」と述べています"
(参考)https://medium.com/aztec-protocol/aztec-network-raises-17-million-series-a-from-paradigm-to-bring-programmable-privacy-to-web3-beb2982a92f3
シリーズB
2022年12月16日、a16z crypto主導によりシリーズBで$100Mの資金調達を実施。そのほか、A Capital, King River, Variant, SV Angel, Hash Key, Fenbushi, and AVGなどが参加。
"a16z cryptoのジェネラルパートナーであるAli Yahyaは、「ブロックチェーンが広く普及するためには、暗号化とプライバシーが不可欠ですが、AztecはAztec ConnectやNoirなどの革新的な製品でその基礎を築いています。AztecのCEO兼CofounderであるZacとJoeは洞察力に優れた意欲的な技術者であり、我々はこのラウンドをリードし、完全暗号化イーサリアムの構築という目標を追求する彼らの素晴らしいチームを支援できることに非常に興奮しています」と述べています"
(参考)Aztec Raises $100 million to Build Encrypted Ethereum
Airdropの可能性について
気になるAirdropの可能性がどの程度あるかですが、個人的には結構期待しています。理由は以下のとおり。
ポイント
- Paradigm、a16zといった過去に大型のAirdropを実施したプロジェクトでも投資していたVCが関わっている
- 調達額が大規模
- プライバシー系の先駆者的な存在
以前、過去の大型エアドロ案件について参加VCの分析を行ったんですが、Paradigm、a16zが関わっている確率が高く、シリーズA、シリーズB・・と順調に大型の資金調達を実施しているプロジェクトは仮にエアドロップがあった時には美味しいことが多いという結果になりました。
また、後述しますがAztecはアカウント凍結のリスクがあることやaccount aliasの登録が必要なため、複垢が大量に発生しにくいプロジェクトである点で、仮にエアドロップがあった場合に1人あたりの割当が多くなる可能性を秘めているかなと思います。
チュートリアル
それでは実際にAztecが提供しているProductsを触っていきましょう。ただその前に一点だけ注意点があります。
アカウント凍結に注意
過去にAztec Connect - Aztec network / zk money はミキシング サービスとして特定されているとの理由でFTXがzkmoneyにコインを送金したユーザーアカウントを凍結した、という事がありました。 プライバシーを守る一方で、マネーロンダリング等に悪用される可能性があることから今後も規制対象としてどのように扱われるか注視していく必要がありそうです。
アカウント凍結が心配な場合はサブ垢で触ることをお勧めします。
zk.moneyを触ってみる
zk.moneyはAztecで構築されたプライベート転送プロトコルです。
(1)account aliasの登録をする(https://zk.money/)
・"Shield Now"をクリック
・"Retrieve Aztec Address" → "Connect Wallet" → "Sign"クリック
・"Retrieve Spending Key" → "Sign"クリック
・"Copy to clipboard" → "Next step"クリック
(コピーしたアカウント情報は保存しておきましょう)
・
・下記画像のとおりaliasを登録する
(2)DeFi機能を利用する(https://zk.money/earn)
・例としてAave Earn オプションを使用してみます(できれば複数触っておきましょう)
・入金額とTx速度を選択して"NEXT"クリック
・"I understand the risks"に☑を入れて、"Confirm transaction"クリック
(3)Txを確認する(https://zk.money/balance)
・無事Txの決済が確認できればzk.moneyのチュートリアルは完了です。なお選択したTx速度によって完了までに要する時間が異なります。
Aztec Connect testnet V1を触る
続いてのチュートリアルはAztec Connect testnet V1です。testnetなので優先度は落ちますが余裕があればどうぞ。
なおタイミングによってはメンテナンス中の場合がありますのでその時は公式のアナウンスを待ちましょう。
(1)テストネットワークを追加する
ネットワーク名:Aztec Testnet
新しいRPC URL:https://aztec-connect-testnet-eth-host.aztec.network:8545/
チェーンID:677868
通貨記号:ETH
(2)Testnet Faucet(2時間ごとに10$ETHと500$DAI)
https://aztec-connect-testnet-faucet.aztec.network/
(3)testnet(zk.money)を触る
その他
Aztecを使用したユーザーにAztec User ZK Badge付与されるキャンペーンがあります。下記ツイートの手順を参考に欲しい方は取得しておきましょう。