こんにちは。0xMach(@0xMach)です。今回は今注目のsudoswapについて解説します。
目次
sudoswapとは?
sudoswapは、以前はP2Pの手数料無料で有名なNFT取引所でしたが、最近NFT用のAMM(自動売買マーケットメーカー)をリリースしました。直近では取引Volume、ユーザ数ともに増加しており、その注目度が伺えます。(データはこちらから)
sudoswapでできること
sudoswapではNFTの購入のみ、販売のみ、またはその両方の組み合わせが可能です。
- 買い専用の流動性プールはETHを保有しており、そのETHを使ってNFTを購入するオファーを出す準備ができています
- 売却専用の流動性プールにはNFTがあり、そのNFTを売却するオファーを出す準備ができています
- 買い手と売り手の両方が有効な場合、流動性プールは両方の見積りを提供します。 プールで取引するユーザーは、ETHをNFTに、またはNFTをETHに交換します
コレクションページの説明
SudoSwapでMEGAMIのページを開くと、こんな感じです。上の4つの統計は何を意味しているのか説明します。
- Floor Price:あなたが購入できる最も安い価格(0.060ETH)
- Best Offer:SudoSwapでMEGAMIを0.056ETHで即座に売ることができることを意味します
- Offer TVL:SudoSwapの流動性プールにMEGAMI用の1.42ETHがあることを意味します
- Volume:MEGAMIがこれまでにSudoSwapで取引されたETH量を示しています
sudoswapの特徴
sudoswapのAMMモデルの特徴をざっくりと列挙します。
sudoswapの特徴
- 売買のための即時の流動性
- 完全なオンチェーン(中央集権的なオーダーブックがない)
- 安価な価格設定(わずか0.5%のマーケットプレイス手数料、ロイヤリティなし)
- 取引手数料を得ることができる
- 任意のボンディングカーブの組み合わせが可能
売買のための即時の流動性
sudoswapは複数の流動性プールから情報を集約して即座に相場を提供します。
完全なオンチェーン(中央集権的なオーダーブックがない)
sudoswapは、オフチェーンオーダーブックではなく、オンチェーンAMMモデルを使用しています。これによりカスタム流動性プールで異なるプライシングカーブやスポット価格を設定することができます。
安価な価格設定(わずか0.5%のマーケットプレイス手数料、ロイヤリティなし)
sudoswapは取引手数料が0.5%しかなく、ロイヤリティもありません。 OpenSeaの取引手数料2.5%、ロイヤリティ7.5%に比べ非常に安いです。
取引手数料を得ることができる
トレーダーが流動性プールとスワップする際に取引手数料を受け取ることができます。
任意のボンディングカーブの組み合わせが可能
一般的なAMMで使用されている従来のx*y=k定積アルゴリズムとは異なり、sudoswapは任意のカーブの組み合わせを駆使して、NFT取引を促進するための流動性プールを構築することができます。
上図のようにパラメータの設定により一定(=常に固定価格)、線形(=固定値の価格を購入/売却に応じて直線的に増加/減少)、指数(=価格を購入/売却に応じて何%か増加/減少)のボンディングカーブを描くようにプールの構築ができます。(パラメータの設定はこの後の実際のチュートリアルで参考にしてみてください。)
sudoswapとuniswap v3の比較
sudoswapは、トレーダーと流動性供給者の両方を対象としています。
■トレーダー
-ETHとNFTのスワップ
-ETHをNFTに交換する
トレーダーとしては、他の取引所と同じような感覚で利用できます。 トレーダーは売り買いするNFTを選択し、sudoAMMは複数の流動性プールから情報を集約して即座に相場を提供します。
■流動性供給者
-流動性プールとの交換時にETHを預け、NFTを受け取ることができる
-NFTを預け、トレーダーが流動性プールと交換する際にETHを受け取ることができる
-ETHとNFTを預け、トレーダーが流動性プールとスワップする際に取引手数料を受け取ることができる
流動性供給者としては、uniswap v3に最も近い体験ができます。sudoAMMはuniswap v3に似た集中型流動性AMMで、流動性供給者は自由に価格帯を選んで流動性を提供し、資本効率を向上させることができます。
基本的にNFTとFTでは取引市場の構造が当然異なり、NFT取引市場の厚みに欠けますが、sudoAMMは、NFT取引を容易にするためにボンディングカーブを使用し、買い手と売り手の見積りを自動的に調整して、トレーダーと流動性供給者の柔軟性を向上させます。
sudoswapとOpenSeaの比較
OpenSeaよりも優れてる点
- ガス料金の値下げ。 sudoswapの公式発表によると、1NFTの取引ではsudoswapが若干有利で、複数NFTの取引ではガス代が最大40%節約できます
- 取引手数料が安い。sudoswapは取引手数料が0.5%しかなく、ロイヤリティもありません。 OpenSeaの取引手数料2.5%、ロイヤリティ7.5%に比べ、この10%はトレーダーが支払わなければならない取引スリッページの一部となります
- OpenSeaではできない、「最初の NFT が 1 ETH で売れたら、次の NFT を 1.2 ETH で売るようにする」といった指定が可能
OpenSeaよりも劣っている点
- 希少性の高いレアなNFTは、流動性プールを作ることでsudoswapでも取引可能ですが、リスト価格が高く取引回数が少なくなるため、OpenSea独自のオーダーブック取引方式で集約した方が効率的な場合があります
sudoswapの使い方・チュートリアル
今回は、以下2点をやっていこうと思います。
・NFTを購入する
・流動性プールを創設する
1、公式サイトにアクセスし、ウォレットを繋げる
2、購入するNFTを選びます。今回は例としてMEGAMIを購入したいと思います。
これで購入が完了しました。
3、続いて流動性プールを創設します。
今回はNFTを預け、預けたNFTとトークンを交換するため、真ん中を選択します。
預けるNFTと受け取るトークンを選択します。
4、NFTの初期価格などのパラメータを設定します
なお、sudoswapではAMMベースのモデルのため、2つ以上のNFTで流動性プールを創設する場合にこのパラメータで細かい設定ができるのが特徴です。以下参考まで。
(参考)
最初のNFTを0.2ETHで販売し(「Start Price」=0.2ETH)、販売ごとに次のNFTの価格が0.1ETHずつ上がる(「Delta」=0.1ETH)ようプールを設定しました。つまり、誰かが私の最初のMEGAMIを買ったら、私に0.2ETHを支払うことになります。もし2つ目のNFTも欲しければ、0.3ETHを支払うことになります。先ほど述べたように、NFTが売られるたびに価格が更新されます。Deltaを「-0.1」とかにして、2つ目のNFTを0.1ETHで売ることも可能です。プールをどのようにフォーマットするかは、あなた次第です。
続いてNFTを選択します。
これで流動性プールの創設が完了しました。
【おまけ】
開発者の0xmons氏らに少額寄附しておきました。
これは強制ではありません。また、最新版では寄付の項目がなくなりました。
まとめ
いかがだったでしょうか。NFTの欠点として流動性に欠ける点が挙げられますが、sudoswapはUniswap V3のような仕組みをNFTの取引に応用した点が個人的に面白いなと感じました。OpenSeaの対抗馬としてのポテンシャルはあるように思います。今後の発展に期待したいですね。